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本のしょうかい

はるにれの表紙画像

『はるにれ』 写真 姉崎一馬 

福音館書店

北海道豊頃町の町指定天然記念物の推定樹齢百三十年、高さ十八メートル、幹回り三百六十センチの巨木、ハルニレの四季折々の姿を、写真家 姉崎一馬さんが一冊にまとめた 美しい写真集。東京生まれの姉崎さんは、少年時代を北海道で過ごし、大学では造園の勉強をなさった方です。豊頃町のハルニレは、この写真集で一気に有名になったそうです。

ニレの木といえば、日本ではふつう五月前後に花をつけるハルニレのことですが、アキニレもあり、こちらでは九月ごろ花が見られます。ヨーロッパではニレの木はあちこちの神話に登場する神秘的な存在。夢の神モリフェウスと結びつき、その下で眠ると悪夢に襲われるという言い伝えがあるのはギリシャ神話。また、イギリスでは中世以降、ニレにぶどうの蔦や蔓をはわせる習慣が生まれ、良縁、結婚のシンボルになっています。

私の本棚に“はるにれ”が仲間入りしてもう二十年、いつか豊頃町にこのハレニレを訪ねて行きたいと思い続けています。

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