本のしょうかい
『その絵ときたら!―新しい絵本の時代をつくったコールデコット』
ミシェル・マーケル 文 バーバラ・マトリントック 絵
福本友美子 訳
ほるぷ出版
毎年アメリカの優れた絵本画家に贈られる絵本賞 「コールデコット賞」に名を残す1846年生れのイギリス人、ランドルフ・コールデコット。
コールデコット賞といえば、マーシャ・ブラウン、ウィーズナー、センダック、キーツ、エッツ、バーバラ・クーニー、ベーメルマンス、バートン、デュボアザン、マックロスキー・・・とお馴染みの作家の名前がズラリと並ぶ歴史のある絵本賞です。
では19世紀の絵本の巨匠と称されるこのコールデコットとはどんな人だったのでしょうか。
「やあ、いらっしゃい。べージをめくるのは、この本の主人公、ランドフル・コールデコット。どのページにも、いきいきとした世界が広がる絵本をつくった人だ。お話の主人公たちも、動物たちも、元気いっぱいとびまわり、ひとつもじっとしてやしない。」
こんな風に始まるこの絵本ではコールデコットの生い立ちがマーケルさんの文と マトリントックさんの絵で語られて行きます。コールデコットの絵に対する想いや絵に向き合う姿勢が生き生きと描かれ、驚くようなエピソードも散りばめられています。
ページを追うごとにワクワクし、読み手はまるで実際にコールデコットと話をしているような気持ちになってきます。
コールデコット自身の絵がたくさん取り入れられ、数ページにわたる最後の解説を読めば、すっかりコールデコットのファンになること間違いなしの一冊です。