
本のしょうかい

『もりやまさんとまちやまさんは』
にしかわなおこ 作
教育画劇
もりやまさんとまちやまさんはおとなりどうし。木で埋め尽くされているもりやまさんと建物でいっぱいのまちやまさん。仲良しの二人はいつも隣でお互いを見守っています。
雨風、ひでり、嵐など、自然の流れに敏感なもりやまさん。その様子をまちやまさんは心配します。
一方、夜になっても眠らずにぎやかで、お祭りの夜などランタンが飛びかったり、と人の動きに左右されるまちやまさん。
まちやまさんはまるでお母さんのようなまなざしでもりやまさんを見守ります。
緑でいっぱいのもりやまさんは秋になり紅葉の季節を迎え、やがて葉っぱは落ち、冬の長い眠りにつきます。そんなもりやまさんの姿をまちやまさんは隣であたたかく見つめ続けるのでした。
もやや雪で姿が見えなくなっても、そこにいるよね、また会えるよね、とまちやまさんは時が流れるのを待っています。そして春・・・。
左のページにもりやまさん、右のページにまちやまさん、それはお話のあいだずっと変わりません。そして最後は二人が一緒のページに仲良くおさまり、すてきなことばで締めくくられます。
平仮名だけの易しいことばで書かれた二人のものがたりが美しい色彩の絵とともに展開して行く大人にもおすすめの一冊です。