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本のしょうかい

ちゃんとたべなさいの表紙画像

『ちゃんとたべなさい』
ケス・グレイ 文  ニック・シャラット 絵
よしがみきょうた 訳

小峰書店

このお話に出てくる女の子、デイジーはお豆が大嫌い。お皿に盛られた16粒のお豆を前にママが言うことは予想どおり、「おまめも ちゃんと たべなさい」デイジーは何度見てもお豆は好きになれないようです。

するとママはいつものようにまた言います。「おまめを たべたら、アイスクリームをあげるから」それでも「おまめ だいきらい」とデイジー。

困ったママの次の一手は「いつもより30分、おそくまで おきていても いいから」そのくらいで大嫌いなお豆を食べるデイジーではありません。

ママの提案は続きます。「おふろに はいらなくても いいから」でも一向に食べるといわないデイジーに、アイスクリームを10個、お風呂は2か月入らなくてよい、自転車を買ってあげる、とどんどんママの提案はエスカレートします。

しまいにはチョコレート工場を92けん買ってあげるとか、遊園地に引っ越すとか、妄想のようなことになっていくのですが、ママがどんなことを提案してもデイジーの目の前の16粒のお豆は1粒も減りません。

もしデイジーが食べると言ったら、今まで言っていたこと、全部やらなくちゃならないけど、大丈夫?不可能なことばかりでしょ、ママ。

でも安心してください。デイジーはママの提案を受け入れることはせず、逆にこう反撃してきたのです。「ママが メキャベツを ちゃんとたべたら、わたし、おまめを たべてあげる。」

ああ、ママはメキャベツが嫌いなこと、デイジーは知っているんですね。なあんだ、ママ、簡単じゃない。ママがちょっと苦手なメキャベツ食べればいいだけよ。

ところが、さすがにデイジーのママ、「メキャベツがだいきらいなの!」とデイジーと同じです。そしてこの母と娘は結局どうしたと思いますか?。

この絵本の中には読んでいて楽しいポイントがたくさんあります。

まず、ママの提案を聞いていると、デイジーが好きなもの(動物、チョコレート、遊園地、宇宙・・・)嫌いなもの(お掃除、お風呂、歯磨き・・・)がよく伝わってきて、子どもはみんな同じだね、とうなずけるところ。

それからあんなにとてつもない提案をしていたママが一番最後に、もしお豆を食べたら、「ふわふわのふでばこも かってあげる!」と言ったところ。とても身近で簡単で実現可能なデイジーへのプレゼントで読み手もなんだかホッとします。

それからママの身につけているピアスとネックレスがまるでディジーの大嫌いな緑の豆粒のようなデザインになっているのところ。

92けんのチョコレート工場を買ってあげるという場面では本当に92の工場がページいっぱいに描かれるところ・・・。

それはさておき、デイジーとママ、いつか嫌いなお豆とメキャベツを笑顔で食べられる日が来るのでしょうか。

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