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本のしょうかい

「走る図書館」が生まれた日の表紙画像

『「走る図書館」が生まれた日』
シャーリー・グレン 作  渋谷弘子 訳

評論社

本を読みたいけれども自由に借りられない――今年の夏は今まで当たり前だった日常への制限が図書館利用にまで及ぶことになりました。

そんな状況の中でもステイホームで読書の時間が増え、その楽しさ、大切さを改めて感じた人も多いのではないでしょうか。

本と人をつなぐ大事な役目を果たしているのが、図書館で働く司書の人たちです。

アメリカでもイギリスでも比較的早い時代から女性がこの司書という仕事に就き図書館の発展に貢献してきました。

この本の主人公、メアリー・レミスト・ティットコムもその中の一人です。ミス・ティットコムは来館者が目を輝かせる瞬間を見るのが大好きでした。最初に無給見習司書として勤めていたコンコード公共図書館で、それぞれにぴったりの本を手に乗せてあげた時見せる来館者の笑顔が大好きだったのです。

司書としての研鑽を積んでいく中で、ミス・ティットコムは全ての人に本を届けたいという強い願いを持ちます。

そして、“図書館に来られない人がいるなら、図書館が車で本をとどければいい!”と「走る図書館」を考えつき、つぎつぎに行動に移していきました。これが移動図書館の始まりです。

お話の中にミス・ティットコムとかかわりを持つ人物としてデューイ十進分類法の生みの親のメルヴィル・デューイも登場します。

ミス・ティットコムとはどんな女性だったのでしょう。メアリー・レミスト・ティットコムの生涯を見つめながら、アメリカの図書館や移動図書館の歴史をたくさんの貴重な写真とともにたどることができる一冊です。

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