
本のしょうかい

『あのやまこえてどこいくの』
ひろかわ さえこ 作・絵
アリス館
いろいろな動物が山を越えて買い物にお出かけです。みんな何を買いに行くのでしょう。
まずはありさん。「ありさん ありさん どこ いくの? あのやま こえて こめつぶ かいに」 「こめつぶ かって どうするの? ぐうぐう ねんねの まくらに するの」―――そうですね。ちっちゃな米粒一粒、ありさんにとっては丁度いい大きさの枕になるのですね。
「でんでんむしさん どこ いくの? あのやま こえて ボタンを かいに」「ボタンを かって どうするの? つんつん つのだし ぼうしに するの」―――わぁ、すてき。ボタンの穴はでんでんむしさんの角を出すのにぴったり。とってもおしゃれなぼうしですね。
「かえるさん かえるさん どこいくの? あのやま こえて ハモニカ かいに」「ハモニカ かって どうするの? おたまじゃくしの おうちに するの」――― ふむふむ、ハモニカのドレミファソの一つ一つのお部屋に子どもたちが一匹ずつ入るのね。何ていいアイデア!
こんな風に動物たちの買い物がテンポよい文章で歌のように続いていきます。
小さい動物、大きな動物それぞれがさまざまのものを自分なりに工夫して使おうと買い物に出かける様子が楽しく、読み手もなるほどと感心したり、それ可愛いい、と思わず顔がほころんだり。
そして最後に買い物に出かける登場者は?またその買い物とは?