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きょうはそらにまるいつきの表紙画像

『きょうはそらにまるいつき』
荒井良二 作

偕成社

 

夜、空を見上げてお月さまを見つけるとそれだけでうれしくなるものです。ましてそのお月さまがまんまるの満月だったら何だかこの上なく幸せな気持ちになります。

さて、この絵本では乳母車に乗った赤ちゃんとお母さん、バレエの練習帰りの女の子、仕事が終わった洋服の仕立て屋さん、運動靴を買って帰る男の子、ギター片手に同じ歌を何度も練習する若者、食事を終えて後片付けをする老夫婦・・・と月を見上げたり、明るい月の光に映し出される人々、街のようすが「きょうは そらに まるいつき」と繰り返されるフレーズと共に描かれて行きます。

登場するのは人間だけではありません。森のクマ、公園のネコたち、海のクジラなどみんなそれぞれがさまざまなところでさまざまな形で月を見ています。

月は人間も動物も陸も海もみんなに平等に美しい光を降り注いでくれます。世界にひとつしかないお月さまをみんながそれぞれの思いで眺める様子がとても素敵で、心が洗われるよう。

絵本の帯には「みんなのよるに それぞれのよるに ごほうびのような おつきさま」ということばが添えられている荒井良二さんの第22回日本絵本賞大賞受賞作です。

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